多頭飼いの片割れを失ったドッグロス克服記|愛犬サクラの旅立ちと残されたハルが再び前を向くまでの全記録
多頭飼いをしているご家庭にとって、愛犬たちの仲睦まじい姿は日々の最大の癒しですよね。しかし、多頭飼いだからこそ避けて通れないのが、「どちらか一方が先に旅立ったとき」の別れの辛さです。残されたもう一匹の犬も、人間と同じように深い悲しみを感じ、体調を崩してしまう「ドッグロス(ペットロス)」に陥ることをご存知でしょうか?我が家では、13歳で旅立ったゴールデンレトリバーのサクラと、相棒を失いドッグロスになったミックス犬のハルがいました。お互いの悲しみに寄り添いながら、ハルが再び笑顔を取り戻すまでのリアルな体験記と、残された犬の心のケア方法をお伝えします。

この記事内容
双子のように育ったゴールデン「サクラ」と保護犬「ハル」の絆
我が家には、先住犬であるゴールデンレトリバーのメス「サクラ」がいました。サクラが6歳の時、動物保護シェルターから新しくミックス犬のオス「ハル(当時1歳)」を迎え入れました。
最初は大きなサクラに少し怯えていたハルでしたが、温厚なサクラはすぐにハルを受け入れ、毛づくろいをしてあげたり、遊び相手になってくれました。それからというもの、2匹はどこに行くのも一緒。散歩のときは並んで歩き、寝るときは必ずお互いの体をくっつけ合っていました。犬種の壁を超えて、本当の姉弟、あるいは双子のように強い絆で結ばれた2匹でした。
サクラが旅立った日、そしてハルを襲った「ドッグロス」の症状
サクラが13歳を迎え、老衰のため自宅のベッドで静かに息を引き取ったとき、ハルはずっとそのそばで見つめていました。冷たくなっていくサクラの体をクンクンと嗅ぎ、優しく前足でつつくハルの姿を見て、胸が締め付けられる思いでした。
本当の悲劇は、サクラの葬儀が終わった翌日から始まりました。ハルが明らかに「ドッグロス」の症状を示し始めたのです。
ハルに現れたドッグロスの具体的な症状
- 食欲の著しい低下:大好物の缶詰を出しても匂いを嗅ぐだけで、ほとんど口をつけなくなりました。
- サクラの影を追う徘徊:家中の部屋をウロウロと回り、サクラがいつも寝ていた場所を悲しそうに見つめては、小さな声で鼻を鳴らしていました。
- ひどい無気力状態:散歩に誘っても玄関から動こうとせず、一日中サクラのベッドの上にうずくまって寝てばかりいる「うつ」のような状態になりました。
相棒がいなくなった現実を受け入れられず、ハルの目からは明らかに輝きが消えていました。このままではハルまで病気になってしまうと、私たちは強い危機感を抱きました。

残された愛犬のために、私たちが実践した「4つの心のケア」
私たちはかかりつけの獣医さんに相談し、ハルの心の回復を第一に考えた「犬のグリーフケア(悲しみのケア)」を実践することにしました。効果のあった4つの方法をご紹介します。
残された犬のためのグリーフケア
- サクラの匂いがついた布をあえて残す:急にすべての匂いを消すと混乱するため、サクラが使っていたお気に入りの毛布をハルの寝床の近くに置き、安心感を与えました。
- ハルとの「1対1の時間」を圧倒的に増やす:これまで2匹で均等に分けていた愛情を、すべてハルへ注ぎました。ブラッシングやおもちゃ遊びなど、ハルだけと向き合う濃密な時間を意識的に作りました。
- 散歩コースを新しく変えて脳を刺激する:サクラと一緒に歩いたいつものコースは悲しみを思い出させるため、あえて新しい公園やルートを開拓し、新しい匂いを嗅がせることでハルの気分転換を図りました。
- 無理に食べさせず、栄養価の高い特別メニューを与える:ドッグフードを食べない時は、ささみの茹で汁や犬用スープをかけるなどして、ハルが少しでも口にしやすいように工夫しました。
3ヶ月後、ハルが再びおもちゃをくわえて走った日
これらのケアを根気強く続けても、ハルの様子はすぐには変わりませんでした。しかし、サクラが旅立ってから3ヶ月が経とうとしたある朝、奇跡のような瞬間が訪れました。
いつもは無気力に横たわっていたハルが、サクラの形見だった「お気に入りのおもちゃ」を自ら咥え、私の足元にトコトコと持ってきて、尻尾をパタパタと振ったのです。「遊ぼう」とハルが誘ってくれたその瞬間、家族全員から「ハルが歩いた!おもちゃを持ってきた!」と歓声が上がり、涙が溢れました。
サクラがいない寂しさは消えなくても、ハルはハルの力で、少しずつ新しい日常を受け入れ、前を向いて歩き出そうとしていたのでした。
「サクラの分までハルを愛する」という決意がくれたもの
サクラの死によって、私たちは深いペットロスに陥り、さらにハルの状態に怯える日々を過ごしました。しかし、ハルが立ち直っていくプロセスを共にしたことで、私たちの心も救われていきました。
「サクラがいない寂しさを、ハルと分け合おう。そしてサクラの分まで、ハルにたくさんの愛情を注いで長生きさせよう」
そう決意できたことで、家庭内に再び明るい笑顔が戻ってきました。サクラの旅立ちは本当に悲しい出来事でしたが、ハルとの絆をさらに強く結び直してくれた、大切な転機でもあったのだと今は感じています。
多頭飼いで愛犬を見送った飼い主さんへ伝えたいアドバイス
多頭飼いをしていて、片割れの愛犬を亡くされた飼い主さん。残された子の元気がなくなると、自分の悲しみと合わさって押し潰されそうになりますよね。しかし、ワンちゃんは非常に感受性が強く、飼い主さんが泣いてばかりいると「自分が悪いことをしたのか」とさらに不安になってしまいます。
辛い時こそ、残された愛犬の前ではできるだけ穏やかな笑顔を見せてあげてください。あなたの笑顔こそが、残された愛犬にとって最大の「心の薬」になります。そして、焦らずにゆっくりと、お互いのペースで悲しみを癒やしていってくださいね。
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