愛犬サブリナが教えてくれたもの

愛犬サブリナが教えてくれたもの


 

 

あなたは動物が好きですか?
私はかなり好きです。

 

大好きです!
特に犬が好きなのですが、私が大の犬好きになるきっかけをくれたのは、初めてペットとして飼ったサブリナでした。

 

いつか別れる日が来るとわかっていても、また家族として犬を迎えいれたい。
そう思えるほど、私にとってサブリナとの思い出はかけがえのないものです。

 

そんなサブリナとの出会いから別れについてのお話です。

 

 

【うちへようこそ、サブリナ!】

 

ずっと犬を飼いたいと言っていた姉のために、両親がブリーダーのところに連れて行ってくれました。
この犬が飼いたい!など特にこだわりはなかったため、いろいろな犬種を連れてきてくれました。

 

ちょうどミニチュアダックスフントの赤ちゃんが産まれたばかりとのことで、たくさんの子犬が私たちの家族のもとに連れてこられました。
みんなでどの子にするか迷っていたとき、一匹の子犬がお姉ちゃんの膝の上でおしっこを漏らしてしまったのです。

 

なぜおしっこが決め手になったのかは私には理解できませんが、お姉ちゃんはすぐにその子に決めたらしく、すぐにその子を連れて家に帰りました。
帰宅後すぐに家族会議が開かれました。

 

会議の結果、子犬の名前をサブリナと名付けることに決まりました。
名前は母が付けたのですが、由来は、美形な顔立ちをしているので、その顔に似合う名前を考えたらサブリナになった!だそうです。

 

【散歩が嫌いなサブリナ】

 

サブリナは癖毛で、毛が広がっていたため、太っていないのですがまんまるとしたフォルムで、とても可愛らしい犬でした。
散歩に行くときはおじいちゃんと、おじいちゃんの愛犬コロと、サブリナと私で行くことが多かったです。

 

マイペースなサブリナは、散歩に出かけても寄り道ばかり・・・。
右にそれて草のにおいを嗅いで、左にそれて道路のにおいを嗅いで・・・。

 

永遠と左右を行き来するような犬でした。
そんなサブリナに最初は付き合うのですが、だんだん面倒になってリードを引っ張って歩くと、サブリナは歩くことをやめ、引きずられることを選ぶような犬でした。

 

いつも引きずられていたので、道ですれ違う人には必ず笑われていました。
そんなサブリナをみると、厳しい性格のおじいちゃんは

 

「どこからそんな長い棒を拾ってきたの!?」

 

というくらい長い棒で、サブリナのおしりを小突きながら歩いていました。
サブリナには悪いですが、ちょっとおもしろかったです。笑

 

引きずられて散歩するので、サブリナの癖毛にはいつも枯れ葉はたくさんついていて、散歩から帰ってきてから体をきれいにするのが大変でした。
当時の私は、それが毎回だったのでとても嫌々やっていたのですが、もう一度サブリナに会えるなら今は土下座してお願いしてでもやりたいくらいです。笑

 


 

【サブリナの大脱走】

 

私がまだ小学校低学年だった頃、サブリナはまだ3歳で、犬の年齢にしてはまだまだ若いころでした。
両親とも働きに出ていたので、平日は学校から帰ると夜になるまで私と姉の二人で留守番をしていました。

 

その日もいつも通り二人で留守番をしていて、姉が窓を開けっぱなしにして洗濯物を取り込んでいました。
私はそんな姉を横目で見ながらごろごろしておやつを食べてのんびりとしていました。

 

それからしばらくして、サブリナがいないことに気が付きました。
私と姉はパニックになりました。

 

急いで母親に電話をして、事情を話し、

 

「今すぐ家に帰ってきて!」

 

と、お願いをしました。
当時の私たちにはなぜサブリナがいなくなったのか、さっぱりわかりませんでした。

 

サブリナはとてもおとなしい犬で、ひとりで家を飛び出す勇気がある犬には到底見えなかったからです。
私と姉は急いで手分けして探し回りました。

 

涙で前がみえなくなり、転んで足から血が流れても、そんなのお構いなしに走り続けました。
何時間走り続けたでしょうか、辺りはもう夕方になっていました。

 

その時、道ですれ違った犬の散歩をしたおばさんに声をかけられました。

 

「探している犬って、黒いミニチュアダックス?」

 

私はすぐにどこで見かけたのかを聞くと、場所はどうやらたまに散歩で行っていたとても遠い公園で、

 

「ミニチュアダックスフンドが飼い主もいないでひとりであるいている」

 

と誰かが噂していたそうです。
私は

 

「絶対にサブリナだ!」

 

と確信し、遠い公園まで走って行きました。
当時小学生だった私は携帯電話持っていなかったので、姉や母と連絡が取れず、それぞれが今どんな状態なのかもわからないまま探し続けていました。

 

 

【迎えに来たよ、サブリナ】

 

公園につくと辺りはもう真っ暗で、いつの間にか夜になっていました。
夜の公園は静かで、だれもいませんでした。

 

私はその公園を探しましたが、サブリナは結局みつかりませんでした。

 

「もうサブリナに会えないんだ・・・。」
「私が窓を閉めるようにお姉ちゃんに言っていれば、こんなことにはならなかったのに・・・。」

 

いろいろな思いで心はぐちゃぐちゃでした。
もう真っ暗になったので家に帰る道を歩いていたら、人だかりが見えました。

 

近づいてみると、おじいちゃんやお母さん、お姉ちゃん、そして犬の散歩中の知らない人まで、みんなで集まっていました。
そして、よく見るとおじいちゃんがサブリナを抱いていました。

 

サブリナが見つかった時の私の気持ちは、もうこれ以上の嬉しいことは今後起こらないんじゃないかというくらい、とっても嬉しかったです。
サブリナをみつけたのはおじいちゃんでした。

 

おじいちゃんが、散歩で遠い公園にいくと、公園に入る入口の階段横の茂みに、何か黒いものが動いている・・・。
なんだろうと思い近づいてみると、何かに挟まって動けなくなったサブリナだったそうです。

 

私は、サブリナを脱走させてしまったことを、おじいちゃんに怒られるんじゃないかと思っていましたが、まったく怒られませんでした。
むしろ、おじいちゃんはなにかに挟まっていたサブリナを思い出してずっと笑っていました。

 

私とお姉ちゃんは泣きすぎて目が真っ赤になっていましたが、サブリナが見つかって最後はみんなが笑顔でした。

 


 

【さよならサブリナ】

 

サブリナが家族になって13年。
あっという間の13年でした。

 

子犬のころから毎日ずっとそばにいたサブリナが、少しずつ老いてきているのが目に見えてわかっていました。

 

 

「いつか別れの日がくる」

 

そんなことは当たり前にわかっていましたが、考えないようにしていました。
サブリナはだんだんご飯をたべなくなり、犬のトイレまで歩く力もなくなり、漏らしてしまうことが増えました。

 

歩く力ももうないはずなのに、それでも自力で立って何かをしようとする姿は、とても見ていられませんでした。
サブリナは一日中ほぼ寝たきりになり、そのまま亡くなってしまいました。

 

【最後に】

 

どんな人や動物でも、命あるものには必ず終わりが訪れます。
私は、それを知っていましたが、別れのことなんて考えたくなかったので、そのことから逃げていました。

 

サブリナを亡くしたとき、私はたくさんのことを悔やみました。

 

  1. 「もっと遊んであげればよかった」
  2. 「もっと一緒にいろんなところに行きたかった」
  3. 「もっと抱きしめてあげたかった」

 

もっともっと・・・。
サブリナにとって私たち家族との時間はどうだったのだろうか、そんなことを考えました。

 

今、目の前にいる大切な存在は、もしかしたら明日亡くなってしまうかもしれません。

 

一緒にいてくれていること、すべてのことに感謝をしてください。
あなたがいつか直面する最期に、後悔がありませんように。

 

ご購読ありがとうございました。

 

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