犬の骨折・消化器系・呼吸器系・皮膚病・感染症の症状と対策|万が一に備えて知っておきたい基礎知識
在宅時間が増えたことをきっかけにペットと暮らすことを決意する人が増えています。特にトイプードルやチワワといった小型犬は室内でも一緒に暮らしやすいと人気です。しかし動物は可愛いという気持ちだけでは飼えません。一生面倒をみることが義務であり、その過程で愛犬の病気にも直面します。あらかじめどんな病気があるか知っておくことで異変にも早く気づけます。この記事では代表的な5つの病気と万が一の備えについて解説します。

骨折
骨折は人間でもおなじみの怪我ですが、特に小型犬は体が小さく骨も細いため大型犬に比べて骨折しやすいです。ジャンプして着地した拍子など何らかの衝撃でなってしまいます。1歳未満の成長中の子犬も骨折することがあります。
骨折の予防策
- 高い場所に登れないようにする
- 危険がないか注意して見守り、愛犬への負担をできるだけ減らす
- ソファから飛び降りてしまう子には犬専用の上り下りできる階段を設置する
- はしゃぎすぎて高い位置から頻繁にジャンプしがちな子は特に注意
消化器系の病気
食べたものが通過する消化器はデリケートです。大型犬の消化管は体重の3.1%、小中型犬は6?7%と小さいのが特徴で、環境の変化や少しのストレスで嘔吐や下痢を起こすことがあります。嘔吐と下痢は消化器系の病気の2大症状です。
嘔吐と吐出の違い
吐いたものにも違いがあります。
- 嘔吐:ある程度消化されたものが出てくる。下を向いて吐き出す
- 吐出:食道から吐き出されるため消化されていないものが出てくる。力強く前に飛ばすように吐き出す
治療法がそれぞれ異なるため、吐き出したものや吐き方を飼い主がきちんと観察することが重要です。
嘔吐の際は以下を記録して獣医師に伝えましょう。
- いつごろから始まったか(症状が出ている期間)
- 過去の病歴と嘔吐の主な特徴
- 生活環境・与えているフード・他の症状の有無
- 食べてからどのくらいで吐いたか・嘔吐物の内容(血が混じっていないかなど)
- 嘔吐する頻度
下痢の場合はまず原因を考えましょう。生活環境の変化・知らない人が来た・フードの与えすぎ・いつもより多い運動量など普段と違うことがあればそれらが原因と考えられます。心当たりがない場合は寄生虫・伝染病・持病が原因の可能性があります。
呼吸器系の病気
呼吸が苦しくなる状態を呼吸困難といいます。原因となる病気は心臓由来の場合もありますが、主に咽頭・気管・気管支・肺(肺胞)の4つに分類されます。その他貧血・熱射病・日射病・頭部の外傷・一部の中毒・気胸なども呼吸困難の原因になります。
呼吸困難になったら
- 速やかに動物病院に連絡して指示を仰ぐ
- 窓を開けて風通しをよくし、換気の良い場所で安静にさせる

感染症
犬同士でじゃれ合ったり喧嘩するなどして感染する直接感染、感染犬が使ったケージ・食器・シーツなどを通じた間接感染、散歩中に感染犬の便を嗅ぐことで移る経路感染など、さまざまな感染経路があります。
代表的な感染症
- ジステンパー:感染犬のくしゃみの飛沫を吸い込んだり排泄物に触れて感染する
- ケンネルコフ:ジステンパーと同じ経路で感染。短い乾いた咳・微熱・何かが喉につかえているような咳が症状
- コロナウイルス性腸炎:感染犬の嘔吐物や便に接触することで小腸でウイルスが増殖し腸炎を起こす
ウイルスは目に見えないため、散歩中や他の愛犬と触れ合う機会がある時は特に注意が必要です。
皮膚病
突然体を痒がるしぐさを見せるようになったら皮膚病かもしれません。特に多い病気で約50%は痒みを伴います。痒がる時は舐める・噛む・吸う・引っかくの動作をします。
痒がる部位によって原因が異なります。体の前側であればアレルギー、後ろ側であればノミアレルギー(寄生虫感染)が考えられます。ノミアレルギーは皮膚病で最も多い原因です。稀に多数寄生していても痒がらない子もいます。
皮膚病の症状を記録して獣医師に伝えよう
- いつごろから痒がり始めたか
- どこを痒がっているか
- どんな時に痒がるか
- 季節によって差があるか
- どの程度痒がっているか
万が一に備えて:病院へ行く時の持ち物チェックリスト
突然体調が悪くなった時のために準備しておきましょう。
病院へ行く時の持ち物
- 首輪・キャリーケース
- おむつ(マーキング癖のある子は特に必須)
- トイレシーツ
- ビニール袋
- 保険証
- 服用中の薬がある場合は薬の名前が記載されているもの
- かかりつけ以外の病院に行く場合は直近の検査結果
初診の場合はカルテ記入のため飼い主の氏名・住所・電話番号・緊急連絡先もわかるようにしておきましょう。
いつごろからどのような症状が出たか・食欲はあるか・便の状態(下痢・便が少ないなど)を記録しておくと受付や獣医師にすぐ伝えられます。
まとめ:愛犬のために飼い主ができること
この記事のポイント
- 骨折は小型犬に多い。高い場所からのジャンプを防ぐ環境づくりが有効
- 嘔吐と吐出は異なる症状。吐き方と吐いたものを観察して獣医師に伝える
- 呼吸困難はすぐに動物病院へ連絡し指示を仰ぐ
- 感染症はケージ・食器・排泄物など間接的な経路でも感染する
- 皮膚の痒みは体の前後どちらかで原因の見当がつく。記録して獣医師に伝える
- 「大袈裟かな」と思わず、少しでも気になることがあればすぐ動物病院へ。異常がなければそれでいい
愛犬は言葉で痛みや苦しさを伝えられません。日頃からよく観察し、いつもと違うと感じたら迷わず動物病院を受診してください。ただ可愛がるだけでなく飼い主として思いやりを持ち、愛犬の一番の幸せを願った選択をしていきましょう。ご覧いただきありがとうございました。