犬の寒さや暑さに対する対策

犬の寒さや暑さに対する対策


 

私が子供の頃は、家の玄関先に犬小屋があり、外で犬を飼っている家は珍しくありませんでした。
ペットブームが起こり、犬を飼う家がどんどん増えて犬も人間と同じように家の中で生活するのが当たり前になりましたね。

 

地球温暖化など環境の変化も伴って、家の中で飼っている犬でも人間が室温の管理をすることは必須となりました。
今回は、犬の寒さ、犬の暑さ対策について考えていきたいと思います。

 

<1.犬は寒さに強いの?弱いの?>

 

全身を毛皮に覆われている犬。

 

「犬は毛皮を着ているから寒くない!」

 

は大間違いなのです。
犬は喜び庭駆け回るかと思いきや、我が家の愛犬は寒いと感じると散歩さえ拒否する始末です。

 

人間よりは寒さに強いと言われていますが、犬種により異なる上、子犬や老犬などはきちんと管理してあげましょう。
さて、犬種によって異なると前述しましたが、これはどういうことなのでしょうか。

 

犬はシングルコートの犬種とダブルコートの犬種に区別することができます。
犬は皮膚の上に、オーバーコートと呼ばれる皮膚を保護する硬い毛質の毛と、アンダーコートと呼ばれる体温を調節するためのふわふわの毛の2種類の毛があります。

 

このオーバーコートとアンダーコート、どちらも生えている犬種をダブルコート犬種。
オーバーコートしか生えていない犬種をシングルコート犬種と言います。

 

もう大体予想することができるかと思いますが、シングルコート犬種に比べてダブルコート犬種は寒さに強いと言われています。

 

<シングルコート犬種>(例)

 

  1. ミニチュアシュナウザー
  2. トイプードル
  3. マルチーズ
  4. ヨークシャテリア
  5. パピヨン
  6. ミニチュアピンシャー

 

など

 

<ダブルコート犬種>(例)

 

  1. コーギー
  2. ラブラドール・レトリーバー
  3. 柴犬
  4. ミニチュアダックスフンド
  5. ゴールデン・レトリーバー
  6. チワワ
  7. フレンチブルドック

 

犬だからみんな寒さに強いわけではなく、毛の構造によって違うことがわかりますね。
また、ダブルコートだからみんな寒さに強いというわけでもないのです。

 

その子によって平気な子もいれば、寒がりな子もいます。
犬が寒がっている様子を見せたときには適宜対策をとってあげましょう。

 

 

<2.寒がっているサインと対策>

 

犬が寒がっているときには、ちゃんとサインを送ってきます。
どのような様子のときに犬は寒がっているのでしょうか。

 

例えば・・・・

 

  1. 寝るときに小さく丸まっている
  2. ブルブルと震えている
  3. 毛布などに潜って出てこない
  4. 散歩などの外出を嫌がる

 

人間だって寒い日はお布団から出たくないし、外に出るなんてなかなか億劫ですよね。
犬も同じです。

 

上記のようなサインが現れたら、犬が寒さを感じている証拠。
環境を見直してみましょう。

 

室温やゲージの場所、寝る環境を確認してあげる必要があります。
窓の近くや床に直接寝る場合など、もしかしたら寒いのかもしれません。

 

室内犬の寒さ対策は、寒い場所を避けて温かい環境を用意してあげることと、暖房器具をうまく使用し、室温の管理をしてあげましょう。

 

@エアコンを適切につかう

 

部屋の室温を均一に、また安全に室温を管理するにはエアコンが便利。
外出時なども心配なく室温の管理をすることができます。

 

Aペット用ヒーター

 

犬が気に入っている場所に設置してあげましょう。
部屋の中に1箇所でも暖かさを感じることのできる場所を作ることで、犬は自ら体温を調節します。

 

寒いと感じたらヒーターの前に、暑ければ離れてくれますよ。

 

B湯たんぽ

 

エアコンやヒーターは電気代が・・・・
という方には湯たんぽがおすすめ。

 

お留守番や寝るときなど、電気も火も使わない湯たんぽは経済的にも安全性にも優れています。
お湯の柔らかい暖かさで安心して過ごすことができます。

 

このようなアイテムの他、服を着せたり温かい毛布を与えるなども犬の寒さ対策になります。
あくまで個体差がありますので、愛犬の様子をよく観察してあげましょう。

 


 

<3.犬は暑さに強いの?>

 

年々、全国の最高気温を更新しているのではないかと思うほど、猛暑・酷暑と呼ばれる日が多い近年。
犬は暑さには強いのでしょうか?

 

結論から言うと犬は人間と比べて、暑さに弱いです。
人間が暑いと感じる気温は、犬にとっては酷暑なのです。

 

人は自分で適切に水分補給をし、エアコンなどで体温を調節することができますが、犬は人間が手伝ってあげなければなりません。

 

人間と同じように犬も熱中症にかかり、重症なら命に関わることも。
適切な暑さ対策をしてあげましょう。

 

犬を飼育している方はおわかりかもしれませんが、犬は舌を出して呼吸をし、体温を調節します。
汗腺は肉球にありますが、全身から汗をかくことはないため、熱を逃がすことがとても苦手。

 

室内で飼っていても熱中症のリスクはあるのです。
寒さに強いと言われるダブルコート犬種は、夏でもダブルコート。

 

考えただけで暑いと思いませんか?
犬が熱中症にかかってしまったときの症状や暑さ対策について考えてみましょう。

 

 

<4.こんな症状が見えたら注意!>

 

犬が熱中症にかかったとき、次のような症状が現れます。

 

・呼吸が荒い、声が混ざる

 

ハァハァと荒く、苦しそうな呼吸をします。

 

・耳が熱い

 

人間と同じように、耳は割と常にひんやりとしています。
耳を触ってみていつもより熱いと感じたら体温がかなり上昇している証拠。

 

・名前を呼んでも反応しない

 

いつもなら名前を呼ぶと嬉しそうにこちらに来る愛犬。
反応をせず横たわっていたら意識をなくしているかもしれません。

 

・下痢や失禁

 

熱中症にかかって下痢をしたり、失禁をすることはよくあります。
このような症状が見えたとき、脱水症状を引き起こす可能性がぐんと高くなるので早急に動物病院へ連絡しましょう。

 

あくまでも代表的な症状です。
これ以外にもいつもとちょっと様子が違うと思ったときには早めの対応を心がけてあげましょう。

 

熱中症にならないための対策はどのようなものがあるのでしょうか。

 


 

 

<5.熱中症の予防と対処>

 

もしも熱中症の症状が現れた場合(意識がある場合のみ)、以下のような方法で様子をみることができます。

 

@冷たい水を少しずづ飲ませてみる

 

一気に飲ませてしまうと、血液の濃度が薄くなってしまったり、消化器系に悪影響を与える可能性があります。
冷たく冷やした水をほんの少し舐めさせる程度から、ちょっとずつ飲ませてあげましょう。

 

Aスポーツドリンクで栄養補給も

 

人間用のスポーツドリンクは水分補給だけでなく、塩分やミネラルが含まれています。
これは熱中症にかかった場合、犬にも効果的。

 

人間用のものをそのまま与えてしまうと、味や成分が濃すぎるため、水で1;1に薄め、少しずつ飲ませましょう。
あくまでも人間用なので、与える量には注意が必要です。

 

また、熱中症予防で与えることもおすすめできません。
緊急時のみ与えましょう。

 

B体を冷やしてあげる

 

全身が熱を持っている場合、全身に水をかけて上げたり、人間のように脇の下や足のつけねを冷やしてあげることも効果的です。

 

冷たい水を突然体にかけると血管が収縮してしまいますので、足先から少しずつ。
保冷剤や氷枕で後ろ足の付け根や頭を冷やしてあげることも良いでしょう。

 

応急処置としてこのような対処を行った上で、動物病院につれていきましょう。

 

では次に、熱中症にならないための対策について。

 

@エアコンをつけて室温を一定に

 

在宅時だけでなく、留守番中も犬にとっては熱中症のリスクだらけ。
お留守番をさせる際には、エアコンをつけっぱなしにして、部屋の温度が上昇しないように管理してあげましょう。

 

電気代節約のために、カーテンを開けっぱなすことを避け、犬が過ごす部屋に直射日光が当たらないようにすることも◎。

 

A風通しをよくする

 

日陰を作り、風通しを良くすることで熱をもった空気が留まらないようにしてあげましょう。
2箇所以上の窓を開けて風のとおり道を作ることがベストですが、外出時など防犯の観点から窓を開けっぱなしにすることに抵抗がある場合も。

 

そのようなときは換気扇を回したり、扇風機やサーキュレーターで部屋の空気を動かすことでもOK。
空気を常に循環させるように意識した場所に設置をしましょう。

 

B散歩は早朝と夜に

 

ほとんどの道はアスファルトで覆われています。
気温が30℃の場合、アスファルトの表面温度は50℃以上にもなるのです。

 

そんな熱いところ、裸足で歩くことができますか?
犬は人間よりも地面に近いところにいて、アスファルトの上を裸足で歩くのです。

 

アスファルトの照り返しで肉球をやけどしてしまったり、熱中症にかかり体調を悪くすることも。
日が昇り切る前の早朝や、日が完全に沈んでから散歩にいくようにしてあげましょう。

 

Cスッキリさっぱり、サマーカットも効果的

 

毛皮に覆われている犬。
夏はサマーカットでいつもよりちょっと短めに毛をカットすることで、暑さ対策だけでなく寄生虫対策にもなります。

 

犬種や体調に合わせて毛の管理もしてあげましょう。

 

D新鮮な水をいつでも

 

人間と同様、脱水症状は命に関わることです。
外出時など、新鮮な水を犬が常に飲むことができるように用意してあげましょう。

 

放し飼いの場合、数カ所に分けて設置してあげるといいかもしれません。

 

<6.まとめ>

 

犬は寒さにも暑さにも、強いとは言えない生き物です。
人間が涼しいと感じる温度でも犬にとっては暑いかもしれません。

 

また、人間が暖かくて気持ち良いと思える温度は、犬にとってはもの凄く暑い環境かもしれません。
様々なアイテムやちょっとした工夫で、暑さ・寒さ対策をしてあげましょう。

 

ご購読ありがとうございました。

 

今回のお話「犬の寒さや暑さに対する対策」の続き記事へ

 

 


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